RippleとSEC：4年に及ぶ法廷闘争の終幕

4年以上続いた法的紛争の末、XRPを巡る訴訟がついに解決しました。米国連邦第2巡回区控訴裁判所に対し、SECとRipple Labsは互いの控訴を取り下げ、各自が法的費用を負担することを共同で通知しました。これにより、2020年から始まったRipple訴訟は正式に終結となります。本件は開始当初から、デジタル資産が米国法上で証券に該当するか否かの判断基準となり、世界中の暗号資産業界に大きな影響を及ぼしました。

判決が示す主要な法的影響

2023年の判決で、アナリサ・トレス判事は部分判決を下しました。

• 個人向け取引所でのXRP販売 → 証券とは認定されず、連邦規制違反にも該当しない。
• 機関投資家へのXRP販売 → 未登録証券と判断され、Rippleに対し1億2,500万ドルの罰金と恒久的差止命令が科されました。

資産が状況に応じて証券になる場合とならない場合が判例となったのは米国法初であり、今後の暗号資産関連訴訟の重要な指針となっています。

訴訟取り下げが映す規制動向の変化

2024年、SECはXRPの二次市場取引が証券に該当するかを巡り控訴しましたが、6月にはRipple社CEOブラッド・ガーリングハウス氏が長期化した紛争の終結に前向きな姿勢を示しました。今年初めにトランプ大統領が復帰したことを受け、SECは新体制下で戦略を迅速に転換し、わずか数ヶ月で暗号資産関連企業への訴訟や調査を10件以上取り下げました。Ripple訴訟の終結は、大きな規制転換を象徴しています。

Ripple訴訟から業界が得た教訓

1. 法的判断基準の明確化
   部分判決により、異なる市場状況でトークンの法的地位を評価する枠組みが提示されました。
2. コンプライアンスコストの上昇
   Rippleは小口販売で部分的に勝訴したものの、高額な罰金と恒久的差止命令から、米国市場への参入には規制順守が不可欠であることが強く示されました。
3. 規制と政治の密接な関係
   SEC指導層の交代直後にRipple訴訟が迅速に終結した事例は、米国の規制政策が政治環境と大きく連動していることを浮き彫りにしています。

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まとめ

RippleとSECの紛争終結により、米国の暗号資産業界は新たな段階を迎えています。XRP訴訟の収束によって、市場はより明確かつ透明性の高い法的・規制枠組みの整備に期待を寄せています。投資家にとっては、訴訟解決によってXRPを巡る長年の不確実性が解消されるのみならず、他の暗号資産プロジェクトの法的地位にも新たな指針がもたらされる可能性があります。米国の規制が今後より明確かつ柔軟になるかどうかは、引き続き注目されます。