多くの中国人が訴訟を起こしたがらない核心的な理由は、法律を理解していないからではなく、権利を守るためのコストが侵害する側のコストを上回ることが多いからだ。ある権利に本当の価値があるかどうかは、法律の条文に何が書かれているかだけでなく、一般の人がその権利を実現するために何を負担しなければならないかによって決まる。手続きが複雑で、期間が長く、立証責任が重いほど、個人が負担する弁護士費用、時間、労力、機会費用、心理的プレッシャーは高くなる。一方、侵害した側がただ引き延ばし、否認し、上訴するだけで済み、最終的に最悪の結果になったとしても、本来支払うべき金を返すだけなら、引き延ばしそのものが低コストの戦略になってしまう。こうして制度は一種の逆向きのインセンティブを生み出す。法を守る人が権利救済のコストを負担し、違法行為をする人が資金を利用できることと時間的優位を享受するのだ。弱い立場の側ほど、金も時間も資源も不足しているため、手続きによって権利救済を断念させられやすくなる。これは、本当に批判すべきなのは法律が権利を規定しているかどうかではなく、制度が侵害のコスト、引き延ばしのコスト、訴訟のコストを対称的に設計しているかどうかだということを示している。違法行為による利益を即座に得られる一方で、違法行為の代償が何年も後になって初めて実現し、その額さえ侵害による利益を下回るなら、どれほど整った法律
原文表示