#33 · 水の上を歩くペテロ
夜の第四更だった。午前三時、何も良いことが起こらない時間だ。
舟は何時間も風と戦っていた。彼らは漁師だった。暗闇の中でも自分の家の廊下のようにこの湖を知り尽くしている男たちだった。それでも、彼らは負けていた。
すると、水の上を何かが彼らに向かって近づいてきた。彼らは叫び始めた。午前三時の嵐よりも恐ろしいのは、その中を歩いてくる影だけだからだ。
「勇気を出しなさい。わたしだ。恐れることはない」
ペテロは、いつものペテロがすることをした。考え抜くまで待たなかった。
「主よ、あなたでしたら、私に水の上を歩いて来いと命じてください」
すると主は「来なさい」と言われた。一言だった。
そこでペテロは、嵐の中、午前三時に、舟の縁を越えて水の上へ出て行った。
そして、誰もが見落としている部分がここにある。ペテロは歩いた。本当に起こったことだ。ガリラヤの漁師が暗闇の中、波の上に立ち、波は彼を支えた。
ところが、彼は風を見た。
水について何も変わっていなかった。目の前に立っている方についても、何も変わっていなかった。変わったのは、彼が見ている先だけだった。そして、彼は沈み始めた。
「主よ、助けてください」三つの言葉。それが祈りのすべてだった。もっと良い祈りを考える時間はなかった。
するとすぐに、イエスは手を伸ばして彼をつかまれた。教訓を与えた後ではない。ペテロが信仰を正
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