8.7万ドルの上にそびえる「供給の壁」、FRBより手ごわい
ビットコインは8.1万ドルから8.45万ドルまで回復し、市場では「強気相場が戻ってきた」との声が上がっている。
だが、少し上を見てほしい。8.7万ドルの壁が、すでに3度も価格を押し戻している。
今回は何が違うというのだろうか?
10月22日、BTCは一時84,853ドルまで上昇し、日中の上昇率は2.4%を超えた。SpaceXの決算がハイテク株を押し上げ、リスク選好が回復し、ETFにも資金が戻ってきている。
順調に聞こえる。
だが、本当のシグナルまでは、あと2,500ドルある。
Glassnodeのレンジ分析によると、6〜12カ月保有者の取得原価は86,700ドル。板の売り注文と清算が集中する水準は8.5万ドルと8.7万ドルだ。
8.7万〜8.74万ドルの水準では、すでに3度、価格が押し返されている。
「ETFは買っているんじゃないの?」と言う人もいるだろう。
その通り。IBITは10月20日に1日で6.65億ドルの純流入を記録し、今年の1日あたりの最高額を更新した。過去1カ月のETFへの累計流入額は約23億ドルで、BlackRockが圧倒的な主役だ。
だが、Glassnodeは同時に冷や水を浴びせた。取引高は同じようには増えていない。
資金は入ってきたが、「厚み」がない。
方向性のある資金流入があっても、厚みのある需要があるとは限らない。
これこそ、8.7万ドルの壁が厄介なところだ。
買い手がいないわけではない。買っても、価格を押し上げられないのだ。
価格が8.7万ドルに届くたびに、上に控える売り注文と空売りポジションの清算が、まるで実体のある壁のように価格を押し戻す。一方、ETFの流入は下支えには足りても、壁を突破するには足りない。
8.7万ドルを前にすれば、1日で6.65億ドルの流入も、見栄えのいい入場券にすぎず、通行証ではない。
10月9日、BTCは確かに87,363ドルまで上昇し、空売りポジションの清算比率は一時86%を超えた。だが、その後はどうなったか。急反落して8.4万ドルを割り込み、数億ドル相当のロングポジションが連鎖的に清算された。
空売りの買い戻しで価格を押し上げることはできても、その水準を維持することはできない。
8.7万ドルを「天井」から「床」に変えるのは、空売り勢が損切りを迫られることではない。強気派が実際の資金で売り注文を食い尽くすことだ。
今の強気派には、そこまでの食欲がない。
マクロ環境は追い風だが、それだけでは突破できない。
10月28日のFRB利上げ確率はすでに15%を下回り、ウォーシュ氏もハト派寄りと見られ、市場は政策据え置きを織り込んでいる。
つまり、短期的には「FRBの売り浴びせ」のリスクはない。
だが、逆もまた然りだ。「FRBの金融緩和が突破を後押しする」というシナリオもない。
8.7万ドルは、市場が自力で突破しなければならない。
本当のシグナルとはどんなものか?
「また8.7万ドルに届いた」ではない。
日足の終値が87,500ドルを上回って定着し、かつ取引高が大幅に増加することだ。
Glassnodeの言葉を借りれば、ETFへの資金流入が取引高の継続的な拡大を伴って繰り返されて初めて、個別日の一時的な資金流入ではなく、需要が拡大していることをより強く示せる。
取引高が伴わないなら、8.7万ドルに触れるたびに、それは空売り勢がポジションを積み増す機会であって、強気派の勝利ではない。
8.5万〜8.7万ドルの間では、方向性を決めた大きなポジションは取らない。
このレンジでは、追いかけてロングするのはリスクリワードが悪い。上には3度確認された供給の壁があり、下には8万ドルのETFと財務保有者の取得原価が積み上がるエリアがある。そこを割れば、再び連鎖清算が起きる。
本当の上昇シグナルは一つだけ。日足が87,500ドルを上回って定着し、取引高が増えることだ。
それまでは、上値を追うトレードのリスクリワードは不利だ。
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