『注文の滑りについて』
UKのブローカーでトレードしてた頃、隣の部署の連中は毎日LPと板の厚みの話をしてた。
「今日は指標あるから厚み取っとけ」とか、そういうの。
客の注文を受ける側は、荒れる前に厚みを確保しておくのが仕事だった。
で、いまIBとして海外ブローカーの日本進出を手伝ってると、客が一気に増えた会社の中の人と話すことが多い。だいたい同じ会話になる。
「最近、日本の口座めっちゃ増えてるんですよ」
「よかったね。で、LPに出す板の厚み、増やした?」
「……厚み?」
これ、まじで多い。
客が増えるってことは、荒れた日に同じ方向へ走る注文が増えるってこと。
用意してる厚みを超えた分は、不利な値段で埋まる。
MT4/5の画面には「スリッページ」って出る。
で、クレームが来てから慌ててLPに連絡する。先に見えてるのに。
なんで対策しないかって、厚みを増やすのは金がかかるから。平時には使わない保険だし。
客が増えた直後の会社は、増えた分の売上を先に数えるんだよね。
俺がいた側では当たり前だったことが、ブローカー側に回ると当たり前じゃない。
だから、あなたの0.1ロットが滑った理由は、あなたの腕じゃなくて、こういう事情だったりする。
見分け方は一つ。
荒れた日に、不利な方向にだけ滑るか。
成行なら本来、有利な方向にも滑る。
片方にしか滑らないなら、厚みの問題じゃなくてブローカーの問題って